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MPLS Japan 2019

開催趣旨


MPLS (Multi-Protocol Label Switching) 技術は、当初 ATM (Asynchronous Trans-
fer Mode) 技術を用いて高速大容量のルータを構築する技術として、IETF (Internet
Engineering Task Force) において技術の標準化が行われ、VPNやインターネット等
複数のサービスを統合ネットワークで実現するマルチサービスネットワーク、トラ
フィックエンジニアリング技術、高信頼化のためのプロテクション技術等への適用が
行われた結果、現在のネットワークの基盤技術となっている。

MPLS技術は、インターネットに、(1)コントロールプレーンとデータプレーンの分離、
(2)ハードウェアアクセラレータの利用、(3)レイヤバイオレーションの実装上での許
容、(4)ソフトウェアによるパス(経路)形成、(5)ネットワークスライスの提供、
(6)経路制御と連携したマルチパスの提供、という技術的・アーキテクチャ的基本概
念を導入した。
これらの基本概念は、「MPLS遺伝子」と呼ぶこともできるであろう。

さらに、MPLSの実ネットワークにおける運用と安定したサービスの提供という観点か
らの運用ノウハウを含む実践的かつ総合的な経験と知見の確立は、MPLS遺伝子を持っ
た新しい技術(具体的には、GMPLS、SDN、NFV、データセンターネットワーク、さらに
最近ではホワイトスイッチや5Gシステムなど)を用いたシステムの設計・構築・運用
への指針となることが、これまでのMPLS JAPANでの議論の内容から立証されている。

MPLS JAPANでは、機器開発とサービスプロバイダの運用にかかわる技術者が、個別の
組織の利害を超えて技術的な協力を行う。MPLS JAPANの活動を通じて「MPLS遺伝子」
を持った技術・システムが実ネットワークに導入され、次世代ネットワークの基盤と
して普及利用されるための技術の確立を推進することを、活動の目的とする。

MPLS JAPAN実行委員会 代表 江崎浩